折原 深憂(おりはら みゆ)

大塚由美の最も親しい三人の女友達の一人。由美とは中学に入ってから知り合う。
桂木孝子と同じ小学校の出身である。
いつも明るく振舞い、頑張り屋だが、その裏には脆く不安定な心を隠している。
本人は自覚していないが、彼女の行動や言動には周囲の人間を癒す力があり、
皆のムードメーカー的存在である。

彼女の考え方は、基本的に性善説に基づいているようで、
演技でも人を憎む事が出来ない程、素直で優しい心の持ち主。
本人いわく「特技はめげない事」。真いわく「歩くプラス思考」。
疑う事を知らず、人の言う事をすぐ信じてしまう。

彼女は、自分より他人の事ばかりを気にするタイプで、
自分の事に関しては鈍感と言うか無頓着である。少々天然ボケの面もある。
自分がこうと決めた事に対しては妙に頑固であり、意外と芯が強い面も見せる。
また、何でも自分を卑下してしまう嫌いがある。悪く言えば、内罰的でお節介で卑屈。
その為か、彼女は誰と話す時も基本的に敬語である。

彼女は、人に対して怒る事は全くない。
彼女が怒るのは、恐らく自分に対してのみである。

高校進学後、由美たちと同じクラスになった無双真に対しクラスメート全員が否定的な中、
ただ一人だけ普通に接し続けた。

「他人がお嫌いなら、なぜあんなあからさまに拒絶なさるのでしょう?
 人を避けるだけならば、拒絶などしなくても、ただ無関心でいれば
 十分だと思うのですが…」

余りにも真に付きまとい続けた為、深憂は一度真の逆鱗に触れたことがある。

「いい加減俺に関わるな!」

あまりの剣幕に驚いた深憂は、バランスを崩して地面にへたり込んでしまう。

「!…」

その時真は、あくまで無意識の内に、深憂を助け上げる為に
手を差し伸べるのだが、この行動に深憂は何かを直感する。

「…有難うございます。私が勝手に転んでしまいましたのに…。」

「………」

「でも、やっぱり私の思っていた通りの方なのですね。」

「?」

「本当はとてもお優しい方なのですね。今もこうやって私を
 助け上げて下さいましたし…」

「…!」

純粋さゆえのまっすぐな彼女の言葉は、硬く閉ざされた
真の心を徐々に溶かし、ほどいていく。

真は由美たちに、深憂の中学時代に起こった身の上話を聞かされる。
無意識に、真は彼女の身の上を、綾香を失った後の自分自身と重ね合わせる…。

折原深憂は、中学時代にいじめにあっていた。

由美たちと出会った頃は、深憂にとってどん底の時でもあった。
何かの支えがなければ、彼女の心は壊れていただろう。
そこまで、当時の彼女は追い込まれていた。

しかし、彼女は傍目にはその様なそぶりは全く見せなかった。
気丈に、いつもどおり明るく振舞い続ける。
そして、誰も知らない所で、ひっそりと、静かに壊れていく…

それを救ったのが、由美たちだったのである。(→どう救うのか、要編集)
(桂木孝子と深憂は小学校の同級生。かつては仲の良かった二人も、
 最近は疎遠であった。孝子が久しぶりに学校で出会った渚は、
 壊れる寸前の状態だった…。導入はこんな感じか。)

彼女達が通っていた学校は中高一貫の女子校だったが、
深憂は高等部に進学せず別の高校への進学を選ぶ。
由美や他の友人達は、彼女を護る為、深憂と同じ学校に進学する事を決意する。

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