無双 覚士(むそう さとし)

無双真の実父。
20世紀末から21世紀前半に於いて、
あらゆる分野で先端技術の研究開発・実用化に多大な貢献を果たし、
文字通り世界をリードした、世界的に有名な天才科学者である。

彼によってブレイクスルーを果たした新技術は数え切れず、
数百年の進歩を数十年で実現したとさえ言われる。

世間一般には『型破りな天才科学者』として絶大な人気と知名度を誇っていたが、
科学界全体からは、『非常識な異端科学者』として白眼視されていた。
それでもなお最終的に数多くの信奉者を生み、
彼が科学界に於ける絶大な地位を獲得し得たのは、
彼の超実証主義的姿勢による所が大きい。

『突然に現れたかと思えば、所構わず新たな発明品を持ってプレゼンを始めてしまう。
しかもそれが、実は誰も実現した事のない先端理論や技術の成果だってんだから、
ちまちま研究している者からすれば、やってられないって話だよ。』

無双覚士は、ただの理論科学者ではない。
研究発表の場では、全く新しい理論体系に基づく新技術の可能性を提示するだけでなく、
新技術を利用した新たな装置の実用化から、
更にはその装置を用いた新たな製品と、それに係わるインフラの開発までも彼自身が行い、
それらのプレゼンすらやってのけるのだ。ある科学者は彼を揶揄してこう言う。

『奴は科学者ではなく商売人なのさ。』『まるで宇宙人の店頭実演販売だよ。』

確かに、無双覚士の提唱する全く新しい科学技術体系は余りにも非常識で、
当初は彼を拒絶する科学者が大半であったが、理論だけならまだしも
その新理論を用い彼自身によって実証・実用化されたプロダクツと
その超越した機能を見せ付けられては、他の科学者連中も彼を認めざるを得ない。

無双覚士がマスコミへ進んで露出したのには、
科学界全体が彼に対し発表の場を与えなかったのに対し、
マスコミは進んで彼の事を(色んな意味で)採り上げてくれたのが本当の理由である。

結果として覚士の知名度は、マスコミを中心に急速に広まる事となる。
マスコミや一般人からの追求もあり、
科学界はいよいよ彼の存在を無視できなくなってなったが、
この事は全て、自らを科学界に認めさせる無双覚士の計算ずくの行動であった。

彼は一般市民の絶大な支持を背景に急速にマスコミでの発言力を獲得していき、
中央省庁とは繋がりのない独自のテクノクラートとして、
政治の世界に対しても全世界的に発言力を獲得していく事となる。

その後覚士は、自身の技術研究で得た莫大な財力を用いて、
自然科学分野のみならず、教育、芸術、あらゆる分野に於ける
新たな人材の発掘・育成を目的として
『財団法人 無双未来科学研究財団』(現:無双財団)を設立する。
その中には先端科学研究部門、医療部門、教育部門、文化・芸術部門、経済・産業部門、
新興国支援、など数多くの部門が存在する。

しかしアメリカの研究施設にて先端技術研究に携わっていた折、
実験中の爆発事故に巻き込まれ、無双覚士は突然帰らぬ人となってしまう。

無双覚士亡き後、彼の後に続き世界の学術界を牽引しているのは、
その大半が無双財団の出身者達であり、
彼の影響力が如何に絶大であったかを窺わせる。

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